FANATIC REPORT ファナティックレポート

ローカルLLM導入ガイド|目的別・運用フェーズ別の推奨構成例

2026.07.30 簡易マニュアル


目次


はじめに

前回のレポートでは、ローカルLLMでRAGを有効にする方法をお伝えしました。今回はローカルLLMでRAGを導入・運用するフェーズ別の推奨ハードウェア構成をご紹介いたします。この記事は以下のような方を対象としています。
・ローカルLLM導入を検討している企業
・RAGを構築したい技術者
・オンプレAI環境を検討している担当者

ローカルLLM導入で必要なパーツ

ローカルLLMを構成する主なパーツは以下のようになります。各パーツの性能によって、ローカルLLM全体の性能が左右されます。

GPUの選び方

AIモデルの推論を担当する最も重要な部品です。
GPUのVRAM容量は利用可能なLLMの規模を決める重要な要素です。

システムメモリ容量の考え方

AIモデルのロードや文書検索(RAG)の処理に利用されます。
実際にローカルLLMを運用すると、GPU性能だけでなくシステムメモリ容量も重要であることが分かります。

SSDの容量

AIモデルや社内文書の保存場所として利用されます。
特にRAG環境では、文書データの保管先として重要になります。

CPU性能

Webインターフェースや各種I/O処理を担当します。

ソフトウェア構成

今回の、ローカルLLM(オンプレミスAI環境)におけるソフトウェア構成は以下のような構成を想定しております。LinuxにDifyなどを利用することで、RAGだけではなく、AIエージェントの構築も可能となります。

項目 ツール
OS Ubuntu 26.04 LTS
GPUドライバー NVIDIA Driver
CUDA CUDA Toolkit
Local LLM実行環境 Ollama
コンテナ環境 Docker + NVIDIA Container Toolkit
ユーザーインターフェース OpenWebUIまたはDify

フェーズ別のハードウェア構成例

ローカルLLMを導入・運用するフェーズ別のハードウェア構成をAIの体験から、全社展開を想定した以下の4つに示します。
GPU製品名は代表例です。実際にはVRAM容量を目安に選定してください。

ローカルLLM導入構成例(AI体験)

フェーズ1(PoC)として、AIを体験・学習するフェーズの構成例です。

目的

ローカルLLMを体験する
プロンプトを試す
基本的なAI活用を理解する

推奨構成

GPU VRAM 8GBクラス
(NVIDIA GeForce RTX™ 4060、NVIDIA RTX A2000 8GB)
システムメモリ 32GB

重視すること

AI活用の理解

 

RAG構築向け構成例

フェーズ2(RAG評価)としてRAGの評価を行う構成例です。
当社では、GPU VRAM 16GBクラスでOllama + DifyによるRAG構成を検証しています。

目的

社内文書検索
ナレッジ活用の検証

推奨構成

GPU VRAM 12~16GBクラス
(NVIDIA GeForce RTX 4070、NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB)
システムメモリ 64GB

重視すること

RAGの有効性の確認

 

部門利用向け構成例

フェーズ3(部門展開)として、部門規模での利用を想定した構成です。

目的

技術資料共有
問い合わせ支援

推奨構成

GPU VRAM 16GBクラス以上
(NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti、NVIDIA RTX PRO™ 4500 Blackwell Workstation Edition)
システムメモリ 128GB

重視すること

ナレッジの共有

 

全社展開向け構成例

フェーズ4(全社展開)として、全社展開規模での利用を想定した構成です。
全社展開では、複数ユーザーの同時利用やAIエージェントの活用を想定しています。

目的

全社AI活用・AIエージェント

推奨構成

GPU VRAM 96GBクラス以上
(NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition、NVIDIA H200 PCIe)
システムメモリ 256GB

重視すること

全社ナレッジ活用・AIエージェント・複数部門利用

まとめ

ここまでローカルLLMの導入・運用フェーズ別の推奨構成をご紹介いたしました。
機能や取り扱うデータに応じてハードウェアを強化していく必要があることがわかります。ローカルLLM導入当初はGPUのVRAM容量に注目しがちですが、運用フェーズが進むにつれて、システムメモリ容量やナレッジ管理の重要性も見えてきます。導入初期から全社展開までを見据えて、段階的にシステムを構築することが重要です。ナレッジの共有ではハードウェアは重要な基盤ですが、最終的な価値を決めるのは組織の知識をどのように蓄積・利用するかです。
ローカルLLMやRAGは、そのための強力な手段の一つです。

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