FANATIC REPORT ファナティックレポート

【ベンチマーク | 性能比較】4th Xeon CPUを使用したベンチマーク比較

2023.11.24 ベンチマークレポート


【ベンチマーク | 性能比較】4th Xeon CPUを使用したベンチマーク比較

はじめに

Xeon Gold 6426Yにつきましては、前世代CPUであるXeon Gold 6330(開発コード名:Ice Lake )と比較しています。
今回性能比較に使用したGold 6426Yは4th Xeon CPU内ではミドルレンジモデル、Platinum 8480+はハイエンドモデルです。また、Xeon Gold 6330は3th Xeon CPU内で、ミドルレンジモデルです。

1.CPUの主な仕様

Gold 6330 Gold 6426Y Platinum 8480+
コア数 28 16 56
スレッド数 48 32 112
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 3.10GHz 4.10GHz 3.80GHz
プロセッサー ベース動作周波数 2.00GHz 2.50GHz 2.00GHz
TDP 205W 185W 350W

※前提としてCPUのコストは6426Y<6330<8480+となります。

2.評価環境

Sapphire Rapids評価環境

項目 仕様
製品 WST8200-4 Gen2
メモリー DDR5-4800(32GB)×2
OS (SPEC CPU2017) Almalinux 8.4
OS (Performance Test) Ubuntu22.04.2 Desktop

 

Ice Lake評価環境

項目 仕様
製品 GSD4200-10
メモリー DDR4-3200(32GB)×2
OS (SPEC CPU2017) Almalinux 8.4
OS (Performance Test) Ubuntu22.04.2 Desktop

3.使用したベンチマーク

1コアあたりの性能比較とマルチコア性能比較に注目し、下記のベンチマークを使用いたしました。

●SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマーク
1コアあたりのパフォーマンス比較として、SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークを使用いたしました。

●PerformanceTest
パフォーマンス評価として、PassMark社が提供するPerformanceTestを使用いたしました。PerformanceTestではCPUの性能に比例しスコア値が向上いたします。

 

■4th Xeon(Sapphire Rapids)モデル間の性能比(Gold 6426Y vs Platinum 8480+)

(1)SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマーク
Platinum 8480+ については、Gold 6426Yと比較して約0.9倍の結果となりました。
SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークでは1コア当たりの性能評価となっているためクロック数の高いGold 6426YがPlatinum 8480+の性能を上回った結果となりました。

表1. SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークのスコア

項目 Gold 6426Y Platinum 8480+
スコア 8.97 8.33

※画像をクリックすると拡大します。
第4世代 Xeonプロセッサー ベンチマーク グラフ1

図1. SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークのスコア

(2)PerformanceTest
Platinum 8480+については、Gold 6426Yと比較して約1.4倍の差となりました。
PerformanceTestでは全コアで評価となっているため、コア数の多いPlatinum 8480+がGold 6426Yよりスコアが上回った結果となりました。

表2.CPU Markのスコア

項目 Gold 6426Y Platinum 8480+
スコア(CPU Mark) 66211 96508

※画像をクリックすると拡大します。
第4世代 Xeonプロセッサー ベンチマーク グラフ2

図2. SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークのスコア

 

■3rd Xeon(Icelake)と4th Xeon(Sapphire Rapids)の性能比(6330 vs 6426Y)

(1)SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマーク
シングルコア性能においてGold 6426Yは、Gold 6330の約1.6倍となりました。
比較したCPUのクロック周波数の違いはあるものの、クロックの数値差以上に、スコアが向上していることが確認されました。

表3. SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークのスコア

項目 Gold 6330 Gold 6426Y
スコア 5.63 8.97

※画像をクリックすると拡大します。
第4世代 Xeonプロセッサー ベンチマーク グラフ3

図3. SPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークのスコア

(2)PerformanceTest
Gold 6426Yにつきまして、Gold 6330と比較して、約1.4倍となりました。
Gold6330と比較してGold6426Yはコア数が減少していますが、1コア当たりの性能が向上しているためマルチコア性能としても向上していることが確認されました。

表4.CPU Markのスコア

項目 Gold 6330 Gold 6426Y
スコア(CPU Mark) 45947 66211

※画像をクリックすると拡大します。
第4世代 Xeonプロセッサー ベンチマーク グラフ4

図4.CPU Markのスコア

4.ベンチマークのまとめ

今回はSapphire Rapids世代であるGold 6426YとPlatinum 8480+の同世代のモデル間比較と、前世代CPUであるGold 6330との世代間比較を行うため、シングルコア性能を計るSPEC CPU2017 508.namd_r ベンチマークとマルチコア性能を計るPerformanceTestベンチマークをそれぞれ実施いたしました。

Gold 6426YとPlatinum 8480+でのシングルコア性能比較では6426Yのクロックが高い分、順当に上回った結果となりました。
しかし、マルチコア性能においては、やはりコア数の多いPlatinum 8480+がGold 6426Yよりスコアが上回った結果となりましたが、シングルコア性能とコア数の差を考えると、8480+の性能は思ったほど伸びなかったということが見て取れました。
結果、ミドルレンジの6426Yはコストパフォーマンスが非常に高いという事が分かったことと、8480+においてはコストを度外視しても、マルチコア性能とパフォーマンスを追求する場合の選択肢になってくると言えます。

また、Gold 6426YとGold 6330のXeon世代間の比較においては、単純なクロック/コア数の差以上に、4th Xeonの性能が伸びていることが確認できました。

5.最後に

多種多様な分野において、処理すべきデータ量が増加しており、更なる性能向上が求められております。
今回、モデル間比較と世代間比較を行いましたが、現時点においては、Intel最新CPUの第4世代 Intel Xeon Scalable Processorをベースに、求めるコストや演算内容に応じてモデルを選定することが、オーバースペックに陥らず最適な選定を行うポイントになってきます。
最適な選定について、ご不明な点がありましたら当社スタッフがご要望をヒアリングし、ご提案させていただきますので、ぜひご相談ください。

 
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