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2017.12.26 ベンチマークレポート
今回はAMDのサーバー向けCPU「EPYC」のベンチマークを実施しました。
EPYC 7000シリーズとIntel® Xeon® Skylake-SPのベンチマークを実施し、性能比較を行いました。その結果を報告します。
比較に使用したIntel Xeon Skylake-SPのベンチマークの詳細については、2017年11月7日のファナティックレポート「【ベンチマーク | 性能比較】Skylake-SPのベンチマークを行いました」をご覧ください。
EPYC 7000シリーズの特長
IntelのXeonプロセッサに対抗するべくAMDが満を持して世に送り出す新プロセッサシリーズで以下の特長を持ちます。
・最大32個の高性能コア(64スレッド)『Zen』コア・アーキテクチャー
・最大2 TBのDDR4メモリー容量(全8チャネル)
・128レーンのPCIe® Gen 3
・統合されたセキュリティー・サブシステム
EPYC7000シリーズ モデル
MODEL | Core/ Thread |
Clock (GHz) |
ALL_core_ boost_ CLOCK (GHz) |
Max_ boost_ CLOCK (GHz) |
L3 Cache (MB) |
TDP(W) | PCIe レーン |
CPU ソケット数 |
7601 | 32/64 | 2.2 | 2.7 | 3.2 | 64 | 180 | 128 | 2 |
7551P | 32/64 | 2 | 2.55 | 3 | 64 | 180 | 128 | 1 |
7551 | 32/64 | 2 | 2.6 | 3 | 64 | 180 | 128 | 2 |
7501 | 32/64 | 2 | 2.6 | 3 | 64 | 155 | 128 | 2 |
7451 | 24/48 | 2.3 | 2.9 | 3.2 | 64 | 180 | 128 | 2 |
7401P | 24/48 | 2 | 2.8 | 3 | 64 | 155 | 128 | 1 |
7401 | 24/48 | 2 | 2.8 | 3 | 64 | 155 | 128 | 2 |
7351P | 16/32 | 2.4 | 2.9 | 2.9 | 64 | 155 | 128 | 1 |
7351 | 16/32 | 2.4 | 2.9 | 2.9 | 64 | 155 | 128 | 2 |
7301 | 16/32 | 2.2 | 2.7 | 2.7 | 64 | 155 | 128 | 2 |
7281 | 16/32 | 2.1 | 2.7 | 2.7 | 32 | 155 | 128 | 2 |
7251 | 8/16 | 2.1 | 2.9 | 2.9 | 32 | 120 | 128 | 2 |
ベンチマーク結果
ベンチマークに使用した構成
CPU | クロック | TB時 | コア数 | スレッド数 | TDP | AVX-512 FMA ユニット数 |
メモリー チャネル数 |
AMD EPYC 7551 | 2 | 3 | 32 | 64 | 180 | 0 | 8 |
Xeon Platinum 8180 | 2.5 | 3.8 | 28 | 56 | 205 | 2 | 6 |
Xeon Gold 6140 | 2.3 | 3.7 | 18 | 36 | 140 | 2 | 6 |
Xeon Gold 6126 | 2.6 | 3.7 | 12 | 24 | 125 | 2 | 6 |
ベンチマーク環境(EPYC)
・CPU:AMD EPYC 7551
・M/B:Super Micro H11 DSU-iN(デュアルCPU)
・MEM;DDR4-2666 RDIMM 8GB x16(計128GB)
・SSD:Intel SSDSC2BB480G7
・OS:Windows10 Professional 64bit
ベンチマーク環境(Skylake-SP)
・CPU: Intel Xeon Platinum 8180/Intel Xeon Gold 6140/Xeon Gold 6126
・M/B : Super Micro X11 DAI-N(デュアルCPU)
・MEM: DDR4-2400 RDIMM 8GB x16(計128GB)
・HDD: SEAGATE ST1000NM0033
・OS : Windows10 Professional 64bit
ベンチマークソフト:Cinebench R15、Sandra 2017
Cinebench R15・Single Coreのベンチマーク結果を以下に示します。
Cinebench R15・Single Coreは上記のような結果となりました。
EPYC 7551は最も低いスコアとなっています。Single Coreでは常時ターボブーストであるため、ターボブースト時のクロック数が低い事が、スコアの低さに影響したと考えられます。クロックの影響を除くため、1GHzあたりの性能を比較したものを以下に示します。
Single coreのクロック1GHzあたりの性能としては、ブーストの効き方に差があるのかGold 6140が最も高く、EPYC 7551はPlatinum 8180と同じ程度、次いでGold 6126となりました。
次にCinebench R15・All Coreの比較を示します。
Cinebench R15・All Coreでは、各CPUのスコアに差が見られました。EPYC 7551はコア/スレッド数は最も多いですが、コアクロック数の影響かSkylake-SP Platinum 8180の86%でした。コア数が約半分になるGold 6140に対しては123%程のスコアとなり、Gold 6140とPlatinum 8180の間ぐらいのスコアとなっています。
次にSandra 2017ベンチマーク結果をグラフに示します。
Sandra 2017 プロセッサの性能 は上記のような結果となりました。
EPYC7551は平均すると、Platinum 8180の87%、Gold 6140の142%程のスコアになりました。この項目ではGold 6140には大きな差をつけている事が確認出来ました。
Platinum 8180には一歩及ばない、という結果となっています。
次に、Sandra 2017 科学的解析のベンチマーク結果を示します。
Sandra 2017 科学的解析は上記のような結果となりました。
EPYC 7551はN体シミュレーション以外の項目(高速フーリエ変換、一般的なマトリックス乗算、集約された科学的なパフォーマンス)で、Skylake-SPに大きく差を付けられる結果となりました。これはEPYCがAVX512演算器を持っていないことが行列計算等での性能低下要因につながっている可能性が考えられます。
次に、Sandra 2017 メモリー帯域のベンチマーク結果を示します。
AMD EPYCのベンチマーク結果
総括
今回のベンチマークでは、主にEPYC 7551とSkylake-SP各クラスとの性能の比較を行いました。演算を多用する試験では、Skylake-SPのPlatinum 8180を越えるスコア出ませんでしたが、その他の試験ではコア性能差はそれほど悪くないようですので、そこそこ満足のいくスコアが出ているのではないでしょうか。メモリ帯域に関してはSkylake-SPを圧倒しています。これらの結果から、EPYCには得手不得手があるものの、コストパフォーマンスを考えるとそこそこの実力を持っていることが確認できました。また、ベンチマーク結果には表れていませんが、PCIeの数(128レーン)はIntelプラットフォームを圧倒しており、利用条件によっては大きな価値を生む可能性をもっています。
ファナティックでは、AMD EPYC™ 7000シリーズプロセッサ搭載サーバを、お客様の用途やご予算などにあわせて最適な構成でご提案しております。また検証機の貸し出しも行っておりますのでお気軽にご相談ください。