『問題解決型』ハードウェアメーカー
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2018.05.25 ベンチマークレポート
今回はキャッシュソフトウエアのIntel CASのベンチマークを実施しました。
HDDをIntel CAS ソフトウエアでSATA-SSD、NVMeをキャッシュデバイスとして使用した場合のべンチマークを実施しました。その結果を報告します。
Intel CAS(Intel Cache Acceleration Software)とは、NVMeやSATA-SSDなどのフラッシュデバイスをストレージのキャッシュとして利用することができるソフトウエアです。
本ソフトウエアにより、シームレスにアプリケーションの高速化がはかれます。またキャッシュ対象となるディスクやフォルダーを細かく指定することができるため、高速化したい対象を効率的に指定することができます。
ベンチマークに使用した構成は以下の通りです。
項目 | 型番等 |
CPU | AMD EPYC 7551 32-Core Processor:2個 |
Memory | DDR4 2667 MHz 8GB:16枚(計128GB) |
HDD | HTS 543216L9A300 (SATA 3Gbps 5400rpm) |
SATA-SSD | INTEL SSD S3520 (SATA 3.0 6Gb/S 480GB) |
NVMe | INTEL SSD P3520 (PCIe NVMe 3.0 x4 450GB) |
OS | Windows Server 2016 Standard |
※今回のベンチマークにAMD のEPYC環境を利用しましたが特に理由はありません。
キャッシュ用フラッシュデバイスとして以下の2種類のフラッシュデバイスを利用しました。
(1) SATA-SSD Intel SSD DC S3520 2.5インチ SATA 6 Gb/s
(2)NVMe Intel SSD DC P3520 2.5インチPCIe 3.0 x4
比較に使用したHTS 543216L9A300(HDD)は SATA 3Gb/s 5400rpm です。
HDD、SATA-SSD、NVMeそれぞれのRead ,Write転送性能とIOPS性能を示します。
SATA-SSD、NVMeの単体での性能としては、シーケンシャルリードでDRAMキャッシュも働いてカタログスペックスペックと同等かそれ以上の性能が出ていることがわかります。
表1.デバイスの転送速度
デバイス | 項目 | カタログスペック | 測定値 |
HDD (HST 43216L9A300) |
Sequential Read | – | 61 MB/Sec |
Sequential Read | – | 60 MB/Sec | |
SATA-SSD (DC S3520) |
Sequential Read | 450 MB/Sec | 445 MB/Sec |
Sequential Read | 380 MB/Sec | 392 MB/Sec | |
NVMe (DC S3520) |
Sequential Read | 1200 MB/Sec | 1397 MB/Sec |
Sequential Read | 600 MB/Sec | 713 MB/Sec |
次にIntel CASをインストールしてSATA-SSD、NVMeそれぞれをHDDのキャッシュに設定にした場合の結果を示します。
Intel CASはキャッシュモードとして、ライトスルー、ライトバック、ライトアラウンド、パススルーの各モードをサポートしますが、今回はパフォーマンスにもっとも効果のあるライトバックで検証いたしました。
HDDに対して、SATA-SSD、NVMeの2種類をそれぞれキャッシュデバイスとして使用した構成についてベンチマークを実施しました。
HDDに対してIntel CASの効果で、高速化が図れていることが分かります。
次にIOPSの結果を示します。
今回の評価を以下にまとめます。
表2.転送速度の向上率
項目 | SATA- SSDキャッシュ | NVMeキャッシュ |
Sequential Read | 7倍 | 22倍 |
Sequential Write | 5倍 | 11倍 |
Random Read 4KiB (Q8,T8) | 268倍 | 648倍 |
Random Write 4KiB (Q8,T8) | 192倍 | 729倍 |
Random Read 4KiB (Q32,T1) | 189倍 | 265倍 |
Random Write 4KiB (Q32,T1) | 185倍 | 236倍 |
Random Read 4KiB (Q1,T1) | 51倍 | 68倍 |
Random Write 4KiB (Q1,T1) | 48倍 | 90倍 |
シーケンシャル Read、WriteではSATA-SSDをキャッシュデバイスと指定した場合単体でHDDを使用する場合に対して、5倍以上となり、NVMeをキャッシュデバイスと指定した場合は10倍以上の高速化となりました。
ランダム Read、Writeの場合は条件にもよりますが、SATA-SSDで最大で250倍、NVMeで最大で700倍以上高速になりました。
今回使用したHDDが低めの性能の製品のため高めの値になっておりますがいずれにしても大幅に性能向上することが分かります。
Intel CASのライセンスは組み合わせるキャッシュデバイスがIntel社の場合は容量に制限はありませんが、他社製品の場合は、容量により料金が変動する料金体系となっています。
また、ライセンスにはスタンダードサポートまたはプレミアムサポートが付属しており、料金が異なります。
今回のベンチマークでは、SATA-SSD、NVMeキャッシュデバイスとして、HDDストレージの高速化を行った結果を測定しました。CASを用いることにより、大幅に速度向上が図れることが分かりました。
今回はベンチマークソフトでの評価ですが、実際の運用環境においても十分な効果が期待できると予想されます。