CASE 導入事例

T大学様

大規模なデータを扱う画像認識の研究には、
手元でいつでも使える環境が不可欠。

深層学習や画像認識を幅広く研究

T大学内の情報処理に関する研究科では、画像認識、画像処理などのコンピュータビジョンを中心に、画像と言語の融合分野(例えば、画像キャプション生成)なども含めて、知覚情報処理に関して幅広く研究を行っている。

画像認識において代表的なタスクであるセマンティックセグメンテーションは、画像内の全画素にラベルやカテゴリを関連付けることにより、特徴的なカテゴリを形成する画素の集まりを識別する。自動運転、医療用画像処理、工業用検査などで幅広く応用される基礎技術だ。

画像処理では、ノイズ除去やモーションブラーの除去、雨粒除去など、画像に含まれている外乱を取り除くタスクも含まれる。こうした外乱は既存の機械学習手法の推論を狂わせる可能性があるため、推論の信頼性を担保するためにも需要のある技術となっている。

画像キャプション生成は、画像認識と自然言語処理を組み合わせたタスクで、入力された画像を説明する自然な文章を出力するタスクである。

 

ワークステーション

 

 

AIクラウドとワークステーション導入を検討

大量の画像データを扱う研究では、GPUのメモリー容量の大きさが研究の進捗を左右する。実験が大規模化、複雑化するなか、メインマシンとして使用していたワークステーションでは能力不足を感じていた。

同マシンはGPUにQuadro RTX 8000を3基搭載。Quadro RTX 8000は、Turingアーキテクチャ、576基のTensorコア、72基のRTコア、48GB GDDR6のメモリーを搭載。2019年に発売が開始されたGPUで、グラフィックバスは前世代規格のPCI Express 3.0を採用している。

実験環境は、オープンソースの機械学習ライブラリであるPyTorchを利用し、Pythonで書かれたプログラムで実行している。処理能力はGPUのメモリサイズに左右されるため、搭載基数を増やすことで向上を図りたいと考えていた。

その一方で、クラウドのGPUサービスの利用も検討した。しかし、
・ほかの大勢の研究者も使用するため、自分の都合に合わせて使うことが難しい
・細かいチューニングや設定ができない
といった懸念事項があり、さらに時間課金であるため、大勢の学生ならびに長期間におよぶ研究では相当なコストになることを考えると、手元にいつでも使える環境も整えたほうが中長期的にはよいとの結論に至った。

 

 

紹介による安心感に加えて実績も確認

マシンの仕様策定にあたっては予算をベースに調査を行い、大枠が固まった段階でファナティックに相談することにした。同じ大学の他研究室が使用するワークステーションへの評価が高いことを耳にしたのがきっかけだった。

新たなマシンで使いたいと考えていた、最新世代のAmpereアーキテクチャを採用したRTX A6000搭載ワークステーションを同社のWebサイトで確認し、公開されているベンチマークも参考にした。今回の調達先として安心だと感じたという。

与件として伝えたのは、RTX A6000を4基搭載していることに加え、事前調査によりCPUはコア数が48個以上、速度は2.0GHz以上を希望していること。ワークステーション調達を打診した2021年10月は世界的な半導体不足の影響が出ており、その他の詳細仕様は委ねることにした。

これに対し提示されたワークステーションの主な仕様は下記のとおり。在庫部品とすぐに調達できる部品を選定し短期で納入できる構成となったが、代替案についての情報提供や根拠が明確で安心だったという。

  • CPU:CPU:AMD EPYC Rome 7552
  • メモリー:256GB(32GB x8)DDR4 3200MHz ECC RDIMM
  • ストレージ:1.92TB M.2 NVMe SSD
  • GPU:NVIDIA RTX A6000(48GB) x4
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    ワークステーション

     

    納入されたワークステーションは、以前のGPU 3基と今回の4基という基数の違いはあるとしても大幅に向上した処理速度に満足しているという。今後、さらに大規模な実験を行う計画もあり、おおいに活躍してもらいたいと期待を寄せている。

     

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