株式会社ファナティックが提供する
『ファナティック ハード入替サービス』に関するコラム。
サポートが切れたWindowsやLinuxOSで稼働するシステムを使い続ける上で、
お役に立つ技術情報、お客様事例などを発信します。
Broadcom社によるVMware社の買収によって、仮想化ソフトウェア製品のライセンス体系が変わりました。主な変更点(※)は以下のとおりです。
※2025年1月現在の情報であり変更される可能性があります。
1.サブスクリプション
これまで買い切りだったライセンスがサブスクリプションになり、ライセンスの使用期間は1年、3年、5年のいずれかから選択する必要があります。常に最新バージョンが利用でき、継続的なサポートが受けられることがサブスクリプションのメリットですが、購入時だけ発生していたライセンス費用が定期的に支払う形に変わるため、長期利用においては総費用が買い切りを上回ります。
2.CPUのコア数に応じた課金体系
課金単位がこれまでの物理CPUのソケット数からコア数に変更になりました。高性能CPUはコア数が多いためライセンス費用の増大が見込まれます。
3.エディションのシンプル化
エディションが4つに統合されシンプル化が図られました。
①VMware vSphere Standard(VVS):中小規模の企業や部門で複数のホストを管理
②VMware vSphere Enterprise Plus(VEP):中規模から大規模な仮想環境向け
③VMware vSphere Foundation(VVF):大規模な仮想環境向け
④VMware Cloud Foundation(VCF):マルチクラウド環境の管理や自動化
4.企業によるエディションの制約
ベンダーが定義する顧客セグメントにもとづき、購入できるエディションに制約を受けることがあります。このため過剰な機能が含まれている場合や必要な機能が含まれなていないなど、最適なエディションが提供されない可能性があります。
今回のライセンス体系の変更を受けて、これまでVMware仮想基盤上で運用していたIT資産をどう維持していくかが課題となりますが、これに対してはクラウドサービスへの移行が最も有力な候補とされています。
しかし、「リフト」とも称される単純なクラウド移行はコスト増大の可能性も指摘されており、レガシーシステムの維持や保守に予算を割くよりも、新たなビジネス展開をサポートするための新しい技術やシステムへの取り組みが重視される状況では、維持コストの抑制が強く求められます。
また、VMware仮想基盤上のIT資産つまり仮想マシンは旧バージョンOSで稼働するレガシーシステムであることも多く、クラウドサービスが対応していない場合では単なる「リフト」さえ困難ということもあり得ます。
この問題はオンプレミスでの移行についても同様で、例えばVMware仮想基盤上の仮想マシンのOSがWindows Server 2003や2008をWindows SeverのHyper-Vに移行する場合は、これらのゲストOSをサポートしているWindows Sever 2022よりも前のバージョンでなければなりません。
レガシーシステムの維持・延命サービスと提供するファナティックでは、Windows Server 2012や2008に対応するハードウェアを製造しています。
このため、Windows Server 2012のハイパーバイザー上に仮想マシンとしてWindows Server 2008を動作させること、あるいはWindows Server 2008のハイパーバイザー上に仮想マシンとしてWindows Server 2003を動作させることができるため、仮想環境上の仮想マシン群をそのまま移行することが可能です
また、Windows Server 2008やWindows Server 2003に対応したハードウェアを用意することにより、クラウドサービスに移行できない仮想マシンを物理環境に移行し、現在のシステムを継続して利用することも可能です。
事業活動に欠かせない基幹業務システムの維持という課題に対し、最適解の提案から実行までを総合的にサポートしていますので、VMwareの移行について検討の方はご相談ください。
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ファナティック ハード入替サービス