株式会社ファナティックが提供する
『ファナティック ハード入替サービス』に関するコラム。
サポートが切れたWindowsやLinuxOSで稼働するシステムを使い続ける上で、
お役に立つ技術情報、お客様事例などを発信します。
■産業制御システムとは
産業制御システムは、ICS Industrial Control System) とも呼ばれ、電力、水道、ガス、鉄道等の社会インフラや、化学、鉄鋼、輸送機器、精密機械、食品、製薬、ビル管理等の工場・プラントにおける監視・制御や生産・加工ラインにおいて用いられています。
このように、産業制御システムは安定した供給が求められる設備等を管理・制御するための電子技術や関連システムの総称のことで、分散制御システムや監視制御システムなども含まれます。
■産業用PCと民生用PCの違い
産業制御システムに利用される産業用PC(Industrial PC)と民生用PC(Commercial PC)は、耐久性、カスタマイズ性、コスト面において主な違いがあります。
産業用PCは、製造現場や過酷な環境での使用を想定しており、高温、低温、振動、衝撃、汚れや塵、湿度などの厳しい条件に耐えるように設計されています。産業用PCの本体は通常、堅牢な筐体に格納されており、防塵・防滴機能を備えているものが多いと言えます。
また、メーカーにより長期間同じハードウェアの供給が保証されることが多く、産業機器との互換性を維持し長期的な運用を行うために重要な要素となっています。
一方、民生用PCは一般消費者向けで、オフィスや家庭などの比較的穏やかな環境での使用を想定しています。デザインやコストパフォーマンスが重視され、最新の技術やトレンドが迅速に取り入れられますが、産業用PCに比べて物理的な耐久性は劣ることが一般的です。
産業用PCは拡張性やカスタマイズが重視され、特定のアプリケーションに合わせた特別なインターフェースやI/Oポートを備えることがあります。対して民生用PCは汎用性が高く、一般的な使用に適した構成が一般的です。
コスト面では、産業用PCはその耐久性と特化した機能のために高価になることが多いですが、その信頼性と長期間の稼働を考慮すると、トータルコストは低く抑えられる場合があります。民生用PCは比較的安価で購入しやすいですが、頻繁な買い替えが必要になることがあります。
■産業制御システムの特長と老朽化リスク
近年ではIoT の発展により、これらのシステムがインターネットとつながるようになり、国際的にセキュリティリスクについて対策の必要性が高まっています。例えば、海外からのサーバー攻撃により、システムが稼働しなくなるといったインシデントは多数発生しています。
また、継続した稼働が必須であるシステムであるため、10 年以上システムを動かし続けることも珍しくは無く、どのようにシステムを停止させずに保全するかということが非常に重要視されるという特徴があります。
産業制御システムに用いられるハードウェアには、産業用PCと呼ばれる製品を選択することが多く、産業用PCは以下の特徴を持ちます。
・耐環境性能が高い
・信頼性を重視
・長期供給
しかしながら産業制御システムは、一般的な情報システムとは異なり10年を超え、20年近く運用する事例が多く、ハードウェアの老朽化や保守切れが問題になることが少なくありません。
■コストを抑えて老朽化・保守切れに対処したい
ほとんどのコンピュータメーカーは最新OSのみに対応したハードウェアしか販売していませんから、このタイミングでWindows10やWindows11などの最新OSへバージョンアップする必要があります。
ところが産業制御システムは、他のシステムや数多くの機械装置類と連携しており、大規模が改修と綿密な移行計画が必要となり、そのコスト負担は大きな問題となります。
一方、産業制御システムは、インターネットに接続されないクローズドな環境で運用されることが多く、一般的な情報システムと比較して最新OSへ対応させるメリットを見い出せないことも多く、Windows XPやWindows 7などのレガシーOS上で稼働するアプリケーションを今のまま使い続けたいというニーズは多くあります。
そこで「ファナティック ハード入替サービス」の出番です。
いまのOSやアプリケーションは何も変えずに、新品のハードウェアへ更新することができます。
いまのシステムをもう少し維持・延命をしたい、といったニーズがあれば、ぜひお声がけください。
以下に大幅なコストダウンを実現したお客様事例をご紹介します。
事例2:中国紙工業株式会社様
検査装置と制御用PCの耐用年数のギャップが、潜在的な問題となっていた。メーカーに頼らずに寿命を迎えたPCのみを交換。品質はそのままに、コストを大幅削減。
その他にも、
・物流業 自動倉庫システム
・製紙業 自動倉庫システム
・鉄鋼業 統合生産制御システム(DCS)
・食品製造業 産業制御システム(SCADA)
・ガス製造業 液面制御システム
・医薬品製造 打錠機制御システム
・医薬品製造 環境モニタリングシステム
など多くの事例がございます。
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