コラム

株式会社ファナティックが提供する
『ファナティック ハード入替サービス』に関するコラム。 サポートが切れたWindowsやLinuxOSで稼働するシステムを使い続ける上で、 お役に立つ技術情報、お客様事例などを発信します。

自動倉庫のリニューアルが、PCの耐用年数に左右されていませんか


■自動倉庫システムとは

自動倉庫とは、商品の入庫から保管、出庫までの一連の作業を一元管理して自動化したシステムで、「自動倉庫システム」「ピッキングシステム」「自動搬送ロボット」「倉庫管理システム(WMS)」と呼ばれるシステムから構成されています。

倉庫・物流企業はもちろんメーカーにおいても製品を管理・出庫する倉庫での自動化やロボット化を推進するために導入が進められてきました。

 

自動倉庫のリニューアルが、PCの耐用年数に左右されていませんか

 

 

■自動倉庫システムのメリット

自動倉庫システムの導入は、製品の受け入れから出荷までのプロセスにおける人的なミスの防止のほか、自動搬送車(AGV) 、自動ピッキングシステム、RFID 等の最新技術も取り入れた業務品質の向上を実現しています。

また昨今、ネットでの受発注の増大や出荷スピードの高速化が求められるビジネス環境のなか、物流業界における人員確保の困難、労働人口減少によって深刻化する人手不足の解消に対しても自動倉庫システムの役割は大変重要になっています。

さらに倉庫作業に従事する人員の削減は、従業員の労働環境の向上や他の重要な業務への人員配置も可能になり、労働生産性の向上につなげることもできます。

 

■自動倉庫システムの種類

自動倉庫システムは、保管する商品の量や形状に応じて様々な種類があります。

●バケット型
小さいバケットに入れてラックに商品を保管するシステムです。小物類の部品や不定型の製品の収納に適しています。立体タイプでは、縦積みによって自動で入出庫が可能で操作も簡単です。

●パレット型
パレット単位で高層のラックに物を保管するシステムです。倉庫内の高層の空間を活用し、効率良く利用できるのが特長です。

●フリーサイズ型
様々な形状やサイズの製品を収納して、ラックに保管するタイプです。取り扱う商品が多いケースや特殊な製品を扱う際に適しています。

●移動棚型
移動する台車の上に乗った電動式のラックで商品を保管するタイプです。棚ごと移動することが可能になり、通路スペースの確保が不要な点がメリットです。

 

 

■税務上の自動倉庫の耐用年数

自動倉庫はメーカーが想定している耐用年数とは別に、減価償却時に使用する対応年数の目安が定められています。自動倉庫全体としてみると税務上は、7~12 年が耐用年数です。ただ、自動倉庫に使用されるソフトウェアやマテハン機器である、ラック、移動ラック、立体自動倉庫、コンベヤ等それぞれについて分類が異なり、耐用年数も個別に設定されていますので、詳細は国税庁のサイトをご確認下さい。

また、具体的な使用状況や環境、法定点検、メンテナンス状況によっても耐用年数は変動することがありますので、実際の税務申告時には専門家の意見を求めることが望ましいです。

【参照】
国税庁HP 「耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表」

 

■自動倉庫の耐用年数に影響する5つの要因

自動倉庫の耐用年数はカタログ上の数字だけで決まるものではなく、現場の運用条件や保守体制次第で大きく変わります。ここでは、実務上とくに影響度の高い5つの要因を整理して解説します。

●稼働率・稼働時間
自動倉庫はサイクル回数が多いほど駆動部品の摩耗が加速します。
特に24時間操業では軸受やチェーンの寿命が設計値の半分以下になる例もあり、耐用年数が前倒しに。ピークとオフピークを分散させたり、余剰ラインを確保して稼働率を平準化することで機械的ストレスを軽減し、寿命を数年延ばせます。

●搬送重量・荷姿
設計上限に近い重量物を連続搬送すると、モーター・減速機は過熱し金属疲労も進行します。荷姿が不均一だと衝撃停止や横揺れが増え、レール変形やボルト緩みを誘発します。荷重分散パレットやバッファ導入で衝撃を抑えれば、機械本体とレールの耐用年数向上に直結します。

●環境条件(温度・湿度・粉塵・腐食)
高温多湿や冷凍環境では給脂頻度やゴム類の劣化速度が常温の2~3倍になります。また、粉塵はセンサー誤動作を招き、金属摩耗粉が蓄積すると早期故障の原因になります。
塩害地域や薬品倉庫では腐食が加速し安全率が低下します。
防塵・除湿・防錆対策を講じることが耐用年数維持の前提になります。

●定期保守・メンテナンス
消耗品交換や年次点検でトルク測定・アライメント調整を実施すると振動や異音を早期に抑制でき、主部材の亀裂発生を防止します。事後保全中心では突発停止や二次破損で修理費が増大し、更新判断を早めがちになるため、メーカー推奨の予防保全プログラムを継続することが最も費用対効果に優れます。

●部品供給・技術陳腐化
PLCやインバータなど制御機器は生産終了後10年前後で保守部品供給が打ち切られる傾向にあり、故障=稼働停止リスクが急増します。早期の部品確保や段階的リニューアル計画を立てることで、システム全体の実質的な耐用年数を引き伸ばせます。
以上の5要因を意識し、適切にコントロール・改善策を講じることで、法定耐用年数を超える長期稼働や投資回収の最大化が実現しやすくなります。

 

 

■自動倉庫と制御PCで異なる耐用年数

前述のとおり自動倉庫の耐用年数を伸ばすための取り組みは有効ですが、これを制御するPCの耐用年数が比較的短いことが盲点となっていることはご存知でしょうか。一定の年数を過ぎた時点でこの問題が顕在化するというケースが少なくありません。

このような場合の対処としてメーカーからはシステム更新を提示されますが、新しい制御PCに交換するためには、最新OSへのバージョンアップとそれにともなうシステム改修が必要となるため、費用が想像以上に高額で困っているという相談があります。

ファナティック ハード入替サービスはいま使っているソフトウェアをファナティック製の新品ハードウェアに乗せ換えてそのまま使い続けるためのサービスですので、老朽化した制御PCからOSとアプリケーション・ソフトウェアをファナティック製PCに移行し、自動倉庫システムを新品のPCでこれまでと同様に利用することが可能です。

これによって自動倉庫と制御PCで異なる耐用年数のギャップを埋め、自動倉庫を継続して使い続けられるようになります。

自動倉庫など長期に渡って使用される設備は、同時に導入したこれらを制御するPCのほうが寿命が早いことが問題となります。設備との耐用年数のギャップはあることはわかっていても、導入時にあらかじめ計画をしておくことは現実的には難しいようです。

しかし、これら設備を制御するPCのトラブルは業務にあたえるインパクトが大きく、このような潜在的なリスクは多くの企業が抱える問題だろうと当社サービスを採用いただいた企業の担当者は指摘しています。

『設備と制御用パソコンの耐用年数のギャップが、潜在的な問題となっているケースは多いのではないか(C社ご担当者様のコメントより)』

業務への影響を最小限に、PCのリプレースを最小コストで実現する「ファナティック ハード入替サービス」で、自動倉庫を構成する各種システムの対策にぜひご検討ください。
国内の主な自動倉庫メーカーは下記の通りですが、「ファナティック ハード入替サービス」の実績もご紹介します。

メーカー名(敬称略) ハード入替サービスの実績
ダイフク
村田機械(ムラテック)
住友重機械工業
TOYOTA L&F(豊田自動織機)
オカムラ
IHI
西部電機
SANSHIN(三進金属工業)

 

 

【関連サービス】
制御用システムのPC老朽化対策特設ページ

 

【事例紹介】
オカムラ製自動倉庫の制御パソコンの入替

自動倉庫システムのリプレース範囲を極小化し、コストを5分の1に抑制(金剛鋲螺株式会社様)

旧システムの10分の1のコストでリプレースを実現(株式会社手原産業倉庫様)

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